9月5日に、田辺市のALTシンシアさんカロリーナさんを講師にお招きして、アイシングクッキーの作り方を教えて頂きました。お二人には今回初めてTIESの催しにご協力頂きました。カロリーナさんはアメリカのマサチューセッツ州、シンシアさんはジョージア州のご出身であり、お二人とも気さくで親しみやすい雰囲気をお持ちの女性です。クッキー作りの合間には自己紹介の意味も込めて、それぞれのアメリカでお住まいの地域の文化について、写真を紹介しながら楽しいお話をして下さいました。またカロリーナさんには以前滞在されたエジプトで経験されたエピソードを語って頂きました。
  TIESのイベントではお馴染みの国際交流員のジェシカさんの司会進行のもとlet's make cookies”が始まりました。最初にクッキーをデコレートするためのアイシング作りにとりかかりました。アイシングは、粉砂糖とバターそして香料をミックスしたものに、適量の牛乳を加えながらなめらかになるまでまぜ合わせてつくります。今回はバニラ風味のプレーンなアイシングイチジク入りのチョコアイシングの2種類の作り方を教わりました。プレーンなアイシングはバニラエッセンスのみで香りづけをしシンプルに、チョコ風味の方には、バニラのアイシングのなかにココアパウダーと細かく刻んだ乾燥いちじくを加えてよくミックスして仕上げました。
 この日参加してくれたのは低学年の子ども達が多かったのですが、一緒のテーブルについてくれたお母さんの手ほどきをうけながらみんないきいきと活発に手を動かしていました。小さな子ども達には少し難しい包丁を使って乾燥イチジクをきざむ作業に進んでチャレンジする元気な子どももいました。グループごとに別れた各テーブルから賑やかな声、そして調理具の触れあう音が響くなか、あたりにはお砂糖とバニラの甘い香りがただよいはじめました。「いい匂いがする」という声が子ども達の口から漏れ、おいしいお菓子の出来上がりに期待がふくらんでいるようでした。
 ボールのなかのアイシングを、クッキーが焼きあがるまで冷やしおくために冷蔵庫に入れ、次にクッキーの生地作りにとりかかりました。大きなボールの中で、小麦粉、砂糖、卵などの具材をよくまぜあわせ、仕上げには手を使ってしっかりと生地をまとめてゆきます。とりわけた生地のかたまりを麺棒を使って均等にうすくのばしてゆく作業では、力のかけ具合が難しく、麺棒を手にした馴れない手つきの子どもたちが悪戦苦闘していました。その様子に目にとめた先生が目の前でお手本をしめして下さり、それを見習った子供たちが再びトライするときれいに生地が広がりました。
 生地がうまく広がると今度はクッキーの形を作る時間です。お星や動物などのいろいろな型抜きをつかって大小様々な形を型どります。なかにはクッキー型を使わないで自分の手で人の顔の形などめいめい自由な発想で形を作る子どもたちがいました。それらがうまく焼けるようにとの願いをこめながらオーブンの中に入れ焼き上がりを待ちました。
 オーブンのなかでこんがりと焼き上がったクッキーには、冷やしておいて程よい固さになったアイシングを塗ってゆきました。仕上げには七色の粒上のカラースプレーや銀色のアラザンなどで思い思いにデコレートをほどこし、見た目の楽しい多彩で鮮やかな色づかいのクッキーがたくさん出来上がりました。
 今回のクッキー作りの工程には、とくに繊細な手さばきを要するような難しい所がほとんどなく、年少の子供達をふくめてみんな積極的にクッキー作りに没頭していました。自分の手で生地をこねて形をつくり、そして焼き上がったクッキーに独自のセンスで思い思いの飾りつけをする「もの作り」の楽しさを存分に味わってくれたと思います。こんがり焼き上がったクッキーのサクッとした食感は、作りたてならではの新鮮なおいしさにあふれていました。またパリッとした食感のアイシングとサクサク感があるクッキーとの相性も抜群でした。会場ではとても食べきれないほどたくさんのクッキーが出来あがりました。余った分をみんなはお家に持ち帰り、自分たちの手で作ったカラフルなクッキーを家族の方々と一緒に楽しく味わってくれたことでしょう。