田辺国際交流協会運営委員 和田佳寿美

カンボジアではたくさんのたくましい子どもたちに出逢った。2歳くらいの妹らしき子を片手で抱えて、もう片方の手で大人用の自転車に乗ってスイスイ走っている5歳くらいの男の子。植林活動のときにバケツいっぱいの水を遠い道のり運んでくれた女の子。家族で一台のバイクに五人乗り、その一番後ろにちょこんと座っている子。その子たちの姿に、人間の本来のたくましさを感じた。

「ごめんね。いらない。」「いらなくない!あなたこれ買います!」たくさんの観光客が訪れるアンコール・ワット近くの路上で、何種類かの品物を持ってついてくる6,7歳くらいの女の子に断った時のこと。その怒ったような顔つきから必死さが伝わってきた。断っても断っても買ってもらおうと品物を勧めてくる子どもたち。商売用に覚えた日本語や英語を機械的に繰り返しグループでついてくるのだが、あるときこち変わった。「あれ!?おもしろいぞ!」というような表情になり、発音が間違っていると言って商売そっちのけで正しい発音を一生懸命教えてくれる。それをおもしろそうに取り囲んで見ている仲間の子どもたち。少しの間レッスンをしてくれた後、別の観光客ターゲットを見つけダッシュで走り去ってしまったが、彼らの子どもらしい本当の素顔を見た気がした。

  街中で高級車を見かける一方で、きちんとした教育を受けられない子どもが大勢いるという現状がある。衛生的でない環境で小屋のような家に住む人や路上生活者も多い。教育を受けられない人たちはその底辺の生活から抜け出すことができず、格差社会は広がるばかりだ。私は今回の旅で本当に教育の大切さを実感した。

  約20人の子どもたちが共に生活するスナダイ・クマエ孤児院では、@基礎教育A基本的生活習慣B道徳・公共性C自立のためのスキル の4つを柱に明確な基礎方針を掲げ、子どもたちは指導をしっかり受け止め、身につけているようだった。そこに暮らす子どもの一人が書いた作文には、周りの人たちへの感謝、その恩を忘れず自分も周りの人たちに返していきたいという気持ちが綴られていた。管理運営責任者メアス博子さんの「あいさつ、ありがとう、ごめんなさいを忘れずに。」というメッセージには“お母さん”としての愛情がたくさん込められていた。やまなみ寺子屋では、小さい弟や妹を連れてきて世話をしながら、1本の鉛筆、1冊のノートを大事に一生懸命黒板を写す子どもたちの姿があった。私達の英語の授業、日本の遊びにも目を輝かせて参加してくれた。

  帰国後これらの体験や、ポルポト時代の傷跡を訪れたこと、地雷博物館のこと、カンボジア発展のためにがんばっている日本の方達との出逢いを生徒達に話すと、たちまち質問攻めで、休み時間には写真を見にたくさんの生徒が訪れた。ドライに思われがちな今の子どもたちだが、何かを感じてくれていたように思う。このような体験をより深く子どもたちに伝えるにはどうすればよいか。帰国後私も国際理解教育や国際協力により興味を持ち、ワークショップに参加したりしている。これからも理解を深め行動していきたいと思う。